銭湯で見かけるあのペンキ絵
2015/02/25
銭湯の壁に描かれているペンキ絵、と言われると、多くの人が富士山を思い浮かべるのではないでしょうか。なぜ銭湯の壁に富士山が描かれたのでしょう。詳しい理由は分かっていませんが、どうやら、「キカイ湯」という銭湯の主人が、油絵画家の川越広四朗に壁画を依頼したことが始まりの様です。
壁画を依頼した理由は、銭湯内で走り回る子供達を見て、「お風呂の壁に絵が描かれていたら、子ども達が喜んで絵を眺めながらおとなしくお風呂に入るのではないだろうか」と思ったことがきっかけとされています。
実はこの文化は関東地方を中心にだんだんと全国に広がっていったもので、女湯には機関車の絵が描かれていることも多いそうです。
では、なぜ富士山を描いたのでしょうか。
一説では、川越広四郎が静岡出身で普段から富士山の絵を描いていたからと言われています。また、富士は末広がりで縁起が良く、お客さんがたくさん来るという願いも込められています。実際、話題となったペンキ絵のお陰で、「キカイ湯」が繁盛しペンキ絵を真似る風呂屋が増えたのだそうです。
現在ペンキ絵の絵師は数人となり、銭湯の壁画文化も少なくなっているようですが、また新しいペンキ絵師さんも生まれているようです。世界遺産となった日本の富士山、これからも身近な銭湯でみることが出来るといいですね。